昭和恋々
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本カバー 昭和恋々 著者:山本夏彦・久世光彦 発行所:清流出版 Amazon.co.jp の『昭和恋々―あのころ、こんな暮らしがあった』を見る
書籍名 昭和恋々 あのころ、こんな暮らしがあった
シリーズ 単行本(セミハード)
著者 山本夏彦+久世光彦
初版発行 一九九八年十一月二十日 〔平成10年〕
紹介版 一九九九年一月六日 第九刷
発行者 加登屋陽一
発行所 清流出版株式会社
ISBN 4-916028-51-1
定価 1,600
202
印刷 図書印刷株式会社
製本 図書印刷株式会社
装幀 中島かほる
編集担当 松原淑子
初出誌 第一部 月刊『室内』平成十年一月号〜十月号
第二部 月刊『清流』平成六年七月号〜平成十年十一月号
かいつまんで言う  昭和時代を語る写真入りコラム。
 第一部は山本夏彦、第二部は久世光彦。第三部が二人の対談集。
 単行本と文庫本が違う出版社であり、同じ写真を使いながらこれ程味の出かたが違うという
あまりない見本であろう。之は好みの問題だけではないはずである。
 本として第一部と第二部を文庫本の写真を使い、第三部を単行本のレイアウトを使うことが
出来たら、この本は「昭和」を語る名本となるのではなかろうか。写真を勉強する人もそれぞれの
本の写真を比べて見てください。大変参考になると思います。
 ただ、文庫本「出前持ち」あたりを見るとやり過ぎの意見もあろう。写真も違うし、創り過ぎでも
あろうが、メリハリをどこで収めるのがいいのかは難しい。それは、一つだけ例を挙げれば
「乳母車」は、単行本ではただのピントの出ていない懐かしの写真であるが、文庫本の写真は
れっきとした『写真』である。
 「はじめに−昭和変々(へんぺん)」は久世氏らしい文章で、向田邦子さんとの話しは興味
深い。しかし、真骨頂は次の『たぶん私たちは、昭和のあのころに、何か大きな忘れ物をしてきた
ような気がしてならない。もしかしたら、それは途方もなく大きな忘れ物だったのかもしれない。
《文化》なのか、《教育》なのか、あるいは《精神》とか《魂》とかいうものなのか−それはよくは
わからない。』と言い、『あのころを想うと心が和むが、いまに還ると胸が痛む。』と続ける。
 これは年を経た人の警句である。危機感が滲み溢れ、最後には我々の今を『恵まれ過ぎて、
安逸を貪るのに慣れ、いつか馬鹿になっていく不思議な《平和》』と憂う。まさしく「オーイどこ
行くの」であろう。
 第一部の山本氏の分では「アパート」が出色である。『ある日一階の住人が珍しく窓をあけ
放っていたので、通りすがりに見ると、引越の荷が出来て車が来るのを待っているところだった。
老夫婦だった。男は三つ揃の背広を着こなして人品いやしからぬ人だった。夫婦はこの四畳半
に何年いたのだろう。寄る年波でとうとう郷里に帰ることにきめたのだろうか、立つ鳥はあとを
にごさないという。塵ひとつとどめていなかった。』。
 絵が浮かび切ないのである。遠く過ぎ行く昭和に無常を覚えるのである。
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本 Amazon.co.jp の『文春文庫 昭和恋々―あのころ、こんな暮らしがあった』を見る
シリーズ 文春文庫
初版発行 2002年6月10日 〔平成14年〕
紹介版 2002年6月10日 第1刷
発行者 白川浩司
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-735215-X
定価 676
272
印刷 凸版印刷
製本 加藤製本
カバー写真 毎日新聞社
カバー 関口聖司
初出誌 清流出版社 一九九八年十一月
解説 なし
かいつまんで言う  山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、15冊目。
 写真を編集し直してスマートな文庫本に仕立てた。流石、文藝春秋か。
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