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書籍名 : | 『大漢和辞典』を読む | |
編 者 : | 紀田順一郎 | |
発行所 : | 株式会社 大修館書店 | |
発行年月日 : | 1986年3月10日 初版 | |
定 価 : | ¥1,800+税 | |
頁 : | 293 | |
説 明 : | Amazon.co.jp の「『大漢和辞典』を読む」を見る | |
・大修館書店発行の「大漢和辞典」は持っていないが、それに憧れて、そのエッセンスを | ||
少しでも味わえるかと購入した本で、20年前の本が今でも新品で購入できる。 | ||
・本の構成は第一部の「『大漢和辞典』を作る」、第二部が「『大漢和辞典』を読む」、 | ||
第三部は「『大漢和辞典』を引く」となっていて、特に第一部が読ませてくれる。 | ||
・あれだけのものを、一から作るのであるから、尋常でないのは分るが、その編者の | ||
諸橋轍次氏と、大修館書店の社主鈴木一平氏の、壮絶な創造への情熱は | ||
手に汗を握らせる物語として、感動を呼ぶ。 | ||
・第二部の「『大漢和辞典』を読む」も『大漢和辞典』を持っていなくても、愉しめる | ||
漢字エッセイとなっていて、森本哲郎氏の「漢字の威力」をはじめとして | ||
興味を引く内容ばかりである。 | ||
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書籍名 : | 三度のメシより漢字が好き! | |
著 者 : | 笠間友季惠 笠間鏡代 | |
発行所 : | 東京経済 | |
発行年月日 : | 平成16年 5月27日 第1刷 | |
定 価 : | ¥1,200+税 | |
頁 : | 190 | |
説 明 : | Amazon.co.jp の『三度のメシより漢字が好き!』を見る | |
・著者とその娘は、共に漢検1級合格者であり、テレビ東京の《TVチャンピオン》の | ||
「全国親子漢字選手権」で2連覇を成し遂げた二人で、増してや娘である鏡代さんが | ||
1級に合格した時は中学1年生。並ではないのであり、凄いのである。 | ||
・《TVチャンピオン》の「全国親子漢字選手権」で優勝したから、意識が高いのではなく | ||
意識が高く、漢字の実力が抜きん出ていたから優勝したのであって、その好循環を | ||
上手く生かして、生き生きとした感性を保っているのに感心させられる。 | ||
・本当に、その「漢字が好き」の程度は尋常ではないが、何がその情熱を生み出すものか | ||
それが詳しく興味深く書かれている。第1章の「親子で挑んだ漢字チャンピオン」は | ||
余り面白くないが、第2章以降は漢字検定1級合格を目指している人には参考になる。 | ||
・特に本書の122頁の『問題集を片っ端から仕上げることで合格点に達することが可能 | ||
なのは、準一級までだと私は考えている。』は実感だろうし、真実でもある気がする。 | ||
・ここまで漢字を好きになれるとは思わないが、やはり「好きこそものの上手なり」であり | ||
その秘訣を少しでも見習いたいものである。 | ||
・現在でも、この母娘は漢字検定1級連続合格を達成しているのだろうか。 | ||
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書籍名 : | 「完璧」はなぜ「完ぺき」と書くのか −これでいいのか?交ぜ書き語 |
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著 者 : | 田部井文雄 | |
発行所 : | 株式会社 大修館書店 | |
発行年月日 : | 2006年 3月20日 第2刷 | |
定 価 : | ¥900+税 | |
頁 : | 159 | |
説 明 : | Amazon.co.jp の『「完璧」はなぜ「完ぺき」と書くのか―これでいいのか?交ぜ書き語』を見る | |
・「交ぜ書き語」とは、[銀行の破たん]とか、[ら致事件]のように普通「熟語」と | ||
称される漢語のその一部を、仮名書きにしたもので違和感を覚える人は多い。 | ||
・その「交ぜ書き語」に拘り『将来の日本語と漢字文化のための提言』書であり、 | ||
著者は『大修館四字熟語辞典』でお馴染みの田部井文雄氏であり、出版社は | ||
また『大漢和辞典』の株式会社大修館書店であり、期待を裏切らない。 | ||
・本の構成は | ||
T章 交ぜ書き語とは何か から始まり | ||
U章 交ぜ書き語の実際 で実情について紹介・検討している。 | ||
V章 交ぜ書き語小字典 となづけた資料編で、更に「交ぜ書き語」ならぬ | ||
熟語それ自体をすべて仮名書きしたものをまとめた「仮名書き熟語抄録」が | ||
付されている。その上に「漢字別収録語彙一覧」と整理されていている。 | ||
・その「漢字別収録語彙一覧」によると、そこに掲出した漢字は約670字。当然ながら | ||
難しい漢字も多くなるが、その語彙は日常生活でもよく見かけるものが多い。 | ||
現在の「常用漢字表」では1945字、それに上記の670字を加えても2615字で約3割 | ||
増し。実際に「常用漢字表」を追加するとなったら、更に慎重な検討は必要ではあろうが、 | ||
多く見積もっても3000字は超えない。 | ||
・現在の、変に中途半端な「常用漢字表」をこのままにしておく必要は全くないのであり、 | ||
国語の根本となる漢字を、戦後のどさくさに乗じて[国民常用の文字として漢字を用いない | ||
時代を実現する]ために、[どうせカリの物である]と定めた「当用漢字表」から、わずか | ||
95字追加しただけの「常用漢字表」を、絶対唯一として崇め奉る権威主義は情けない。 | ||
・「交ぜ書き語」は、見方を変えれば「交ぜ書き語」としてまで、現代の日本人が使用続けた | ||
漢語であり、それだけに絞った本書は意外と面白い出来となっていて興味を逸らさない。 | ||
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書籍名 : | 「文光社新書」 漢文の素養 | |
著 者 : | 加藤徹 | |
発行所 : | 株式会社 文光社 | |
発行年月日 : | 2006年11月10日 3刷 | |
定 価 : | ¥720+税 | |
頁 : | 240 | |
説 明 : | Amazon.co.jp の『漢文の素養』を見る | |
・本のタイトルが「漢文の素養」となっているが、内容は漢文は当然扱っているが | ||
漢字と漢語の本でもあり、「日本人の漢字の歴史〜弥生時代から現代まで〜」と | ||
タイトルを変更しても通用する、奥は深いが比較的易しく書かれた教養書である。 | ||
・著者は本サイト「文庫本2」にて紹介していて、漢文の古典をヒントに現代の問題を | ||
考える「漢文力 」の加藤徹氏であるが、本の内容に重複はなく、それぞれが楽しめる。 | ||
・本の構成は | ||
はじめに | ||
第一章 卑弥呼は漢字が書けたか | ||
第二章 日本漢文の誕生 | ||
第三章 日本文明ができるまで | ||
第四章 漢文の黄金時代 | ||
第五章 中世の漢詩文 | ||
第六章 江戸の漢文ブームと近現代 | ||
おわりに とオーソドックスながら、一気に読ませる内容である。しかし、 | ||
近現代は漢文レベルの極端な低下により、記述分量は僅かであり寂しい。 | ||
・内容は豊富で、過去の日本人の漢文教養の高さに驚きを隠せないが、将来となると | ||
どうだろうか。本書の中から考えさせられる2点を紹介したい。 | ||
・『今日の日本人は、「パソコン」にあたる漢語さえ考案できず、中国人が考案した | ||
「電脳」を輸入して使っている。カタカナの外来語をなんでも新漢語に置き換えれば | ||
よい、というわけではない。しかし今日の中国で、パソコンやインターネット関連の | ||
用語をどんどん「新漢語」に置き換え、自国民にわかりやすいものにしている様子を | ||
見ると、まるで明治期の日本のような勢いを感じる。』 | ||
・『過去の文明国は、どれも全国民必読の「数冊の本」をもっていた。(中略) | ||
町の書店には新刊書があふれている。インターネットには新しいサイトが雨後の | ||
タケノコのように生まれている。しかしそのどれも「数冊の本」には、ほど遠い。』 | ||
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書籍名 : | 学び直しの漢字読本 | |
著 者 : | 金容権 | |
発行所 : | 株式会社 洋泉社 | |
発行年月日 : | 2005年12月14日 初版 | |
定 価 : | ¥1,500+税 | |
頁 : | 254 | |
説 明 : | Amazon.co.jp の『学び直しの漢字読本』を見る | |
・「日本人の知力を支えてきたのは漢字だった!」と謳い、「うろ覚えだった基本原則から | ||
熟語、部首、六書まで正しい漢字知識が身につく!」漢字読本。 | ||
・「大修館書店」のホームページ「燕館」別館[漢字文化資料館 ]の「漢字Q&Aコーナー」を | ||
本にしたイメージの作りであり、 | ||
第1章 漢字の基礎体力を底上げしよう が問1〜問44 | ||
第2章 熟語力をつけ、ひとつ上を行く漢字の使い手になる が問45〜問71 | ||
第3章 部首と六書をマスターすれば、漢字の世界はさらに広がる が問72〜問84で | ||
やはり、活字を読むのはパソコンで見るのとは別格ではある。 | ||
・個人的には漢字一般の教養アップに大変参考になったが、現実としてこういう本を | ||
自分のお金を出して購入する人がどれほどいるのだろうか。見方を変えれば、 | ||
上記の[漢字文化資料館]が充実しているとも言える。それはQ&Aが500を超えた。 | ||
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