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書籍名 | : | 世はいかさま ―夏彦の写真コラム― |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 昭和六十二年十一月十日 〔1987年〕 |
紹介版 | : | 昭和六十二年十二月十五日 二刷 |
発行者 | : | 佐藤亮一 |
発行所 | : | 株式会社 新潮社 |
ISBN | : | 4-10-341304-2 C0095 |
定価 | : | 1,150 |
頁 | : | 252 |
印刷所 | : | 株式会社光邦 |
製本所 | : | 大口製本株式会社 |
装幀 | : | 安野光雄 |
初出誌 | : | 「週刊新潮」 昭和六十年七月十一日号〜六十二年七月二十三日号 |
写真 | : | 新潮社 写真部 一部提供品 |
かいつまんで言う | : |
本カバーが非常に美しい写真コラムシリーズ7冊中の第4冊目。 「世はいかさま」というタイトルの文庫本はないが、「良心的」(新潮文庫)に全て収められて いるのでご安心を。 今の何でもあり、便利になったことが良いことなのか、全てが好いのかは山本氏の大きな テーマであり、何回も何回も出てくる話しである。それこそ、「同じことを言う」である。 本書「30 ついに一条の線と化す」でも『美衣美食して助平のかぎりを尽すのは亡国の兆で ある。ローマはそれで亡びた。』と述べ、続いて『一億総おしゃれ総グルメ総助平になって更に なりたいものの如くである。有史以来ないことで、これを倒すものがあらわれる見込みがない。 それなら亡びるなら全員まるごとではないかと案じられるのである。』と書いていて、ましてや 別のところでは「沈む船から鼠は逃げ出すが、そのまま沈むものが人である」とも書いている。 怖い話しである。大丈夫?。 私たちは戦前は暗く貧しく哀しい時代だと思い勝ちだが、『戦前と戦後の著しい違いは言葉 の数(ボキャブラリー)が減ったことで、悪口雑言もほめ言葉も極端に減って、自動車を操るも のは自分が人をひきそうになっても「バカヤロー」、自分がひかれそうになっても「バカヤロー」 の一言しか発しない。』と山本氏が「39 せじでもいいから言え」で述べているが、実に私達は 何が進歩したのだろうか。 さりげない言葉であるが、「97 ウソはどこまで許されるか」で『うそと偽善はどこまで必要か、 どこまで許されるか、私たちは他に問うことに急なあまり自ら問うことを忘れたようだ。』と自ら問う ように問う。「天は自ら助くる者を助く」か。 他に「90 夜はねむるものである」も面白いが、抜き出して面白みが伝わる面白さではない。 是非、一読あれ。 |
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