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書籍名 | : | 編集兼発行人 | |
シリーズ | : | 単行本 | |
著者 | : | 山本夏彦 | |
初版発行 | : | 昭和51年3月11日 〔1976年〕 | |
紹介版 | : | 昭和51年3月11日 初版 | |
発行所 | : | ダイヤモンド社 | |
番号 | : | 101612000-4405 | |
定価 | : | 980 | |
頁 | : | 191 | |
印刷 | : | 加藤文明社 | |
製本 | : | 誠光社 | |
装幀 | : | 国東照幸 | |
編集担当 | : | 花田茂明 | |
初出誌 | : | 「小説新潮」『社会望遠鏡』+「室内」『日常茶飯事』 | |
かいつまんで言う | : |
ダイヤモンド社から発行の編集兼発行人シリーズ2冊の第1冊目。 もう1冊は「かいつまんで言う」。本の体裁も時代を感じさせるがユニークで貴重。昔の本の 方が自由で楽しい。 本書の「はしがき」に『著者のためには買わずとも読め、書肆のためには読まずとも買えと、 むかし斉藤緑雨は言ったが、このことは今も昔も変わらないように思われる。』と書いているが、 確かにそう思う。 流石に、この単行本は新品では当然買えないが、今は文庫本で改版が発行されているので、 買って読んで貰いたいものである。後悔はしない出来であるのは間違いない。 中身は「赤線復活」によると『婦人は身辺清潔な人が好きだという。清潔ばかりの男なんて、 つまらないにきまっているが、つまると当人が言いはるのだから抵抗できない。』と人が言いそうで 中々言わない、または言えないことをさりげなく書く。 更に「我ら前なる老年」では『私は彼らの残忍かつ酷薄な心事に注目して驚いている。けれども 彼らをここまで育てたのは、ほかならぬ我らである。してみれば我らの前なる老年は、それに ふさわしいものに違いない。』とどの世代をも情け容赦なく断罪する。そして辛辣な自己批判でも ある。一体我が社会は箍が緩んだだけなのだろうか。箍さえも失ってしまったものだろうか。 その上に「門松立てるべし」では『門松も国旗も、だれも立てない今、立てよと言うには勇気が いる。これしきのことに勇気がいるとは笑止だが、いるのである。』と時代を映しながら世相を憂う。 この時代でこうである。今を今更なのだろう。 |
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シリーズ | : | 中公文庫 | |
印刷 | : | 昭和五十五年十月二十五日 | |
初版発行 | : | 昭和五十五年十一月十日 〔1980年〕 | |
紹介版 | : | 昭和五十五年十一月十日 初版 | |
発行者 | : | 高梨 茂 | |
発行所 | : | 中央公論社 | |
番号 | : | 1195-690213-4622 | |
定価 | : | 280 | |
頁 | : | 183 | |
印刷 | : | 三晃印刷 | |
製本 | : | 小泉製本 | |
カバー | : | 早坂 信 | |
初出誌 | : | 『編集兼発行人』 昭和五十一年三月 ダイヤモンド社刊 | |
解説 | : | なし | |
かいつまんで言う | : |
本書も当然に絶版だが、改版が同社より出版され、喜ばしい。 中公文庫は本カバーに著者の肖像写真が掲載されていて当然ではあるが、吃驚する程若く 時代を感じる。 裏カバーに『渋くて苦く、そして可笑しい本。』とあるがまさにその通りで、後味の良い苦味が つまっている。 |
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シリーズ | : | 中公文庫 改版 | |
改版発行 | : | 2003年10月25日 〔平成15年〕 | |
紹介版 | : | 2003年10月25日 | |
発行者 | : | 中村 仁 | |
発行所 | : | 中央公論新社 | |
ISBN | : | 4-12-204275-5 | |
定価 | : | 533 | |
頁 | : | 196 | |
印刷 | : | 三晃印刷 | |
製本 | : | 小泉製本 | |
カバー画 | : | 前田昌良「緑の風景のなかを泳ぐ僕」(2001年、油彩) | |
カバー | : | 中央公論新社デザイン室 | |
初出誌 | : | 『編集兼発行人』 昭和五十一年三月 ダイヤモンド社刊 | |
解説 | : | 岡田紘史 | |
かいつまんで言う | : |
改版は活字ポイントが大きくなり、行間も広くなり読みやすい。 現在は中公文庫の改版の発行はこれで終わっているが、中断しているだけであることを 期待したい。 本改版の「解説」は名品で此れを読むだけに本書を買っても悔やまないほどの力作であろう。 岡田紘史氏は山本夏彦氏が経営していた工作社で35年も番頭を務めた人で、本書を『それ までの四冊のテーマを練直し組立直し推敲しなおして完成した「山本夏彦の大黒柱」だと 言えば、更に正確だろう。それくらい、本書を世に問うた頃(昭和五十年頃)の彼は、さえて いた。鋭かった。ピリピリしていた。』と書いている。 これを読むと山本氏の心地よいリズム感も、独特の筋たて、ひっくり返しも全て推敲を重ね 尽くしたものとわかり、そうであろうなと納得する。 |
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