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書籍名 | : | 良心的 ―夏彦の写真コラム― |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
印刷 | : | 平成三年三月十五日 |
初版発行 | : | 平成三年三月二十日 〔1991年〕 |
紹介版 | : | 平成三年三月二十日 初版 |
発行者 | : | 佐藤亮一 |
発行所 | : | 株式会社 新潮社 |
ISBN | : | 4-10-341305-0 C0095 |
定価 | : | 1,300 |
頁 | : | 277 |
印刷所 | : | 株式会社光邦 |
製本所 | : | 大口製本印刷株式会社 |
装幀 | : | 安野光雄 |
初出誌 | : | 「週刊新潮」 昭和六十二年七月三十日号〜平成元年九月二十一日号 |
写真 | : | 新潮社 写真部 一部提供品 |
かいつまんで言う | : |
本カバーが非常に美しい写真コラムシリーズ7冊中の第5冊目。 本タイトルの「良心的」というコラムは本書には入っていない。 それを「あとがき」に書き、更に『私はこの言葉を憎んでいるからである。良心なら知らない ではないが、良心的とは何だろう。もし私が字引の編者ならこれを良心に似て全く違うもの、 良心のふりをするもの、良心だとまず自分をあざむき、次いで他をあざむき共に喜びあうもの などと翻訳』と書き、強烈な嫌悪で否定している。 今でこそ郵政公社さえ民営化などといって普通に通るが、国鉄民営化の前後は労働組合 運動が盛んであったがその時のことを、「29 イヤなものだなあ」に人間観察人山本氏は『そも そも組合が争ったのは正義ではなかったか。損得をいうなら損でも正義をとってはじめて正義 である。してみればあれは正義なんかではなかったのだと笑いたいのではない。人間という ものはイヤなものだなあとながめて私はつくづく思うのみである。』と観る。それは哂える笑い ではないのは確かである。 「34 何ゆえの猫なで声」では童話を改竄する愚を痛烈に批判して厳しく、激しい。『勝手な 改竄をするな。猫なで声で育てれば子供はま人間になるとでもいうのか。現代の親子の惨状を 最もよく知りながら親どもはなお猫なで声を出す。ことに女たちは出す。』と時代に流されない 箴言を吐く。そして現状は当然ながら女たちだけで済む話しではない。 ただ、当然ながらすべてがこの調子ではなく「69 団地に緑を大樹を」に団地を『あれだけの 建物群である。鬱蒼たる大木、亭々たる大樹がなければならない。それを忘れたのは公団の 職員が多く地方出身者だからである。その生まれ故郷は緑したたる田園で、笈を負うて彼らは 大都会で学んだから樹々があるのは当たりまえで、かえって忘れたのである。』と云い建設業 者の中枢をアスファルトジャングルで育った都会出身者でかためよと提言する。田舎者が効率 だ、利益だ、儲けだとばかり言っているとこのありさまである。 「ほんとに自然倒壊しても知らないよ。」と田舎者の私が呟く。 |
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シリーズ | : | 新潮文庫 |
初版発行 | : | 平成六年七月一日 〔1994年〕 |
紹介版 | : | 平成六年七月一日 初版 |
発行者 | : | 佐藤亮一 |
発行所 | : | 株式会社 新潮社 |
ISBN | : | 4-10-135013-2 c0195 |
定価 | : | 520 |
頁 | : | 427 |
印刷 | : | 株式会社光邦 |
製本 | : | 憲専堂製本株式会社 |
カバー装幀 | : | 下谷二郎 |
初出誌 | : | 新潮社より昭和六十二年十一月刊行された『世はいかさま』全一00編 と |
平成三年三月刊行の『良心的』の前半五0編を一冊にまとめたもの。 | ||
解説 | : | 嵐山光三郎 |
かいつまんで言う | : |
「夏彦の写真コラム」文庫本5冊の第3冊目。 例によって150編を収めているので、単行本「世はいかさま」は全て収めているが単行本 「良心的」からは50編しか収録していない。そして本書は400ページを越えている。 100編を収めて300ページ弱ではまずかったのだろうか。とにかく不自然。 解説は嵐山光三郎氏であり、それは流石なのである。嵐山氏独特の軽さの中によく読み 込んだ深い見識があり分りやすい。特に『話のもっていきかたはプツプツと切れて、あっちへ 飛びこっちへ飛ぶが、着地点で絶妙につながる。このしたたかさは、山本夏彦の正体が詩人 であることの証明で、並の書き手は到底真似できるものではない。文体は模倣できても発想は 真似できない。』と絶賛する。互いに並ではない。 |
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本カバー写真には関係各位の著作権保護の為に透かしを入れていますので、御了承及び御注意下さい。 | ||
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