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書籍名 | : | 愚図の大いそがし |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 一九九三年四月二十五日 〔平成5年〕 |
紹介版 | : | 一九九三年四月二十五日 第一刷 |
発行者 | : | 新井 信 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-347460-9 |
定価 | : | 1,300 |
頁 | : | 309 |
本文印刷所 | : | 理想社 |
付物印刷所 | : | 凸版印刷 |
製本所 | : | 中島製本 |
装幀 | : | 坂田政則 |
カバーイラスト | : | 川田 徹 |
初出 | : | 「文藝春秋」『愚図の大いそがし』 平成2年12月〜平成4年12月 |
「諸君!」『笑わぬでもなし』 平成元年12月〜平成4年12月 | ||
かいつまんで言う | : |
「文藝春秋」連載の「愚図の大いそがし」と、「諸君!」連載『笑わぬでもなし』の新作を併せて 一冊にしたもの。 本のタイトル「愚図の大いそがし」は 「文藝春秋」に連載のコラムタイトルであり、「文藝春秋」 からは「『豆朝日新聞』始末」に次いで3冊目。 文藝春秋の「諸君!」「文藝春秋」「室内」などに連載した ものを纏めたシリーズは『装幀:坂田 政則 カバーイラス:川田憲一または川田徹または川田 進』でありこれはその9冊の第7冊目 である。 この頃になると、山本氏の単行本は新潮社の「夏彦の写真コラム」以外は全て文藝春秋であり、編集に色々苦労している。また、山本氏のコラムはご存知「同 じことを言う」で、それを手を 変え、品を変え、磨き、熟成し削り、上乗せし、そっちへ跳び、あっちへ飛びであるので、「何か 読んだな」でも新しい感動があったり、物凄く面白かったものが、此処にあったりで混乱する。 ただ、愉しければそれで好しなんですが。 文藝春秋のコラムタイトル及び本書タイトルの「愚図の大いそがし」は本書「あとがき」によると 『この題は気に入っている。編集部が一義に及ばず賛成してくれたのは、誰が見てもてきぱき 片づける才ある人も、さらなる才のある人を望み見て、自分を愚図だと思う。そのさらある才ある 人も、なおさらなる才ある人をうらやんで自分を愚図でと思っている、かくてこの世は愚図の大 いそがしでない人はないことになってめでたいというめったにないタイトルで、私は気に入って いるのである。』とあり、普通のことを普通に言っているようで面白いのである。 本書の中の「たれんと内海好江」で内海好江さんを褒めていて、2度目に見た時彼女には 『私のきらいな言葉ではあるけれど、その背後には教養がある。この人はただの漫才ではない。 俗に女は器量だという。彼女はうちなるものが外にあふれ出ようとするのを、そんなもの漫才が 出しちゃいけないからいつもおさえているが、見る人が見れば分かって、それで器量もよく見えるのである。』とまで書いている。本当にいい味であったのに、 誠に残念であるが其れがこの世か。 山本氏のコラムには、滅びゆくものを掘り出して其れで良いのかを問うものが多数あるが、本書 「「孝」の行方」には『それにしても「山鳥のほろほろと鳴く声きけば父かとぞ思う母かとぞ思う」 (行基)と歌った心は何だったのだろう。孝に限らず「心」とは何なのだろう。』と珍しく素直な書き ようをしていて、これも胸を衝かれる。 |
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シリーズ | : | 文春文庫 |
初版発行 | : | 1996年7月10日 〔平成8年〕 |
紹介版 | : | 1996年7月10日 第1刷 |
発行者 | : | 新井 信 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-735210-9 |
定価 | : | 460 |
頁 | : | 323 |
印刷 | : | 凸版印刷 |
製本 | : | 加藤製本 |
カバーイラスト | : | 川田 徹 |
デザイン | : | 坂田政則 |
初出誌 | : | − |
解説 | : | 奥本大三郎 |
かいつまんで言う | : |
山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、11冊目。 奥本大三郎氏が「解説 −『年を経た鰐の話』」で素直に山本氏の『そのお人柄の暖かさ、 優しさ、公正さは文章に表れていて誰にでも伝わってくる。そうでなければこれほど大勢の 読者が愛読して倦まない訳がない。』と書いているが、これが意外と一番なのかもしれない 気がする。 |
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