年を経た鰐の話
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書籍名 年を経た鰐の話
シリーズ 単行本
著者 レオポール・ショヴォ
翻訳 山本夏彦
初版発行 昭和十六年七月 櫻井書店
底本 昭和二十二年 櫻井書店 再刊
紹介版 平成十五年九月十五日 第一刷
発行者 平尾隆弘
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-322190-5
定価 2,000
139
印刷所 図書印刷
製本所 大口印刷
装画・挿絵 レオポール・ショヴォ
ブックデザイン 斎藤深雪
かいつまんで言う  本カバーに『幻の名訳、遂に復刻』と謳い、装幀も凝って当時の趣を残そうと苦心してあり、
却って新鮮である。
 翻訳となっているが、実は山本夏彦氏の創作ではなかろうかと、いろんな人が書いているが、
やはり翻訳らしく、レオポール・ショヴォの著者紹介に『日本では本書の他に『名医ポポタムの
話』『子どもを食べる大きな木の話』(いずれも福音館文庫)などが刊行されている。』とある。
 体裁はほとんどのページが見開き右が物語、左が絵でその挿絵も本人(レオポール・ショヴォ)
のものらしいが、妖しい味がある。
 四版を再刊する「はしがき」に童話と間違へられ意外に売れたとあるが「童話」ではなくとも
「絵本」であるのは間違いない。
 「年を経た鰐の話」は、昭和14年「中央公論」4月号に掲載されていて後も中央公論社は山本
夏彦氏と縁が深い。初期の作品は全て「中公文庫」に収納され、内4冊は中央公論新社より改版
として再刊されている。そしてそれは山本氏が24歳の時であり、その時すでにしてこの文体で
ある。
  他に「のこぎり鮫とトンカチざめ」「なめくぢ犬と天文学者」の計3本が収められている。
「シュール・ナンセンス・幻想・妙味・寓話」とても不思議な本ではある。だが、皆が皆面白いと思う
のかは知らない。しかし、一度は手にとってみて欲しい本である。
 解説も『「幾つかの『一冊の本』」 吉行淳之介』と『『年を経た鰐の話』久世光彦』と『『年を経た
鰐の話』解説 徳岡孝夫』と3本もあり、徳岡孝夫氏のものは新稿である。 
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