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書籍名 | : | かいつまんで言う ―編集兼発行人二冊目 |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 昭和52年6月9日 〔1977年〕 |
紹介版 | : | 昭和54年6月20日 3版 |
発行者 | : | |
発行所 | : | ダイヤモンド社 |
番号 | : | 1010-612010-4405 |
定価 | : | 1,200 |
頁 | : | 222 |
印刷 | : | 堀内印刷 |
製本 | : | 高陽堂製本 |
装幀 | : | 国東照幸 |
編集担当 | : | 花田茂明 |
初出誌 | : | 「週刊文春」『夏彦・七平リレー時評』 |
かいつまんで言う | : |
ダイヤモンド社発行の編集兼発行人シリーズ2冊の第2冊目。 1冊目は「編集兼発行人」。この本も今はなかなかないデザインである。 本書「生きがいと差別と」は『生きがいとは何かと、やぶから棒に聞かれたことがある。まじめな 若者のなかには、こうした質問をしてひとを困らすものがある。生きがい論が盛んだから、それ に左右されて問いたのだとすれば、その真剣な顔にもかかわらず出来心だろうし、思いつめて 聞いたのだとすれば、何を思いつめたのか気味が悪い。』と、曰く言い難い面白さがあり、 気味が悪い。 また、本書「これを新陳代謝という」では『ワンマンで老齢の社長は、自分でなければ社長は つとまらないと思っているが、あの老人にできるほどのことなら、だれにもできると若者は思って いる。はたして老人が死ねば、それはできるのである。』とニベもない。 偉くない人には痛快だが、偉い人には毒舌だ。しかし、世間では思っていても言わないことも 多い。だが、こうして断定してくれると喝采を叫ぶが、所詮次は自分である。そして、これが 「新陳代謝」かと納得せざるを得ない。読めばわかり、そこには心地よいリズムがあり、洗練 された文体がある。 更に「戦争あるべし自然なら」では『「話しあい」という言葉が流行して、もうずいぶんになる。 私はこの言葉を、ほとんど憎んでいる。どうせ流行するほどの言葉だから、薄っぺらなものに きまっているが、それにしても軽薄すぎる。』とかなり乱暴ともいえる話しになり、その上『かくて 問答は無用である』とも続く。 だが、アメリカの9.11のテロを現実に見てしまった我々は「話しあい」の限界も認めざるを 得ないのであろう。 |
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シリーズ | : | 中公文庫 |
初版発行 | : | 昭和五十七年一月十日 〔1982年〕 |
紹介版 | : | 昭和五十七年二月五日 再版 |
発行者 | : | 高梨 茂 |
発行所 | : | 中央公論社 |
番号 | : | 1195-690265-4622 |
定価 | : | 280 |
頁 | : | 199 |
印刷 | : | 三晃印刷 |
製本 | : | 小泉製本 |
カバー | : | 早坂 信 |
解説 | : | なし |
かいつまんで言う | : |
中公文庫14冊中の7冊目。 「文庫版あとがき」に『私の読者は選ばれた読者で、選ばれた読者ならそんなにいるはずが ないから、私の本が多く売れることを欲しない傾向がある。むろん私は欲する傾向がある。』と あるが、私も欲する傾向がある。 故にこのサイトがあるのであるが、騙されたと思って山本氏のどんな本でも良いので、一冊 読み通してみて欲しい。それで面白くなかったら、それは縁がなかったのであるから、しようが ない。 『選ばれた読者』でなかっただけの話しである。ただ、それは無駄では無いであろう。 |
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