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書籍名 | : | 恋に似たもの |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 昭和五十六年六月十五日 〔1981年〕 |
紹介版 | : | 昭和五十六年六月十五日 第一刷 |
発行者 | : | 半藤一利 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
番号 | : | 0095-336660-7384 |
定価 | : | 1,000 |
頁 | : | 249 |
印刷 | : | 精興社 |
製本 | : | 加藤製本 |
装釘 | : | 坂田政則 |
カバーイラスト | : | 川田 徹 |
初出誌 | : | 「諸君!」連載『笑わぬでもなし』 |
かいつまんで言う | : |
「諸君!」連載の『笑わぬでもなし』を纏めた3冊目。 文藝春秋の「諸君!」「文藝春秋」に連載したものなどを纏めたシリーズは『装幀:坂田政則 カバーイラス:川田憲一または川田 徹または川田 進』でありこれはその9冊の第2冊目 である。 その9冊の明細は「ダメの人」に記載した。 本書には山本氏が向田邦子さんを褒めて有名な「名人」がある。そこには『こうしてみると 文章の才というものは天賦のものらしい。向田邦子は突然あらわれてほとんど名人である。 この人のコラムはこの週刊誌の宝である。』とあり、ここまで褒められて向田さんも喜んだと いう。向田さんはこの時、週刊文春に書いていたのだから山本氏が発掘してきたわけでは ないが、それにしても褒めかたが凄い。 そして、昨今問題になった保険会社の保険金支払拒否問題でも、「保険ぎらい」に『けれども この約款は、信じられないことだが契約する前に見せない。見せろと言っても見せない。 うそだと思うならためしてみると分る。追いつめると見ても分らないでしょうと外交員は驚くこと を言う。』とあり、その他もかなり身も蓋もない話しが一杯で、これでは保険会社からの圧力 大きかっただろうなと思わせる出来であるが、現実に泥酔して風呂に入って亡くなった人を、 「風呂は泥酔して入るものではありません」と言いつのり、保険金を支払わなかったのが保険 会社である。保険の意味ないね。 別に保険会社に道徳を教わる為に入った保険ではない。それがこの言いザマである。 父ちゃんの酒飲みが心配で、外交員に、「万が一の事が」と五月蝿く言われ、「それでは 心配ですね。」と心配しない心配を、心配して入った保険でこれである。 『笑わぬでもなし』の連載もこの時に8年4ヶ月100回となり、本書「属目」に冗談に『実はとう の昔種切れになっていて、私は以前書いたものを焼直しをしてそれが心苦しくて一昨年十二 月号に大団円と書いて休もうとした。大団円は大尾、おしまいのことをふざけて言ったので ある。けれどそれが許されなくて今も書き続けているが、大げさに言うと死ぬ苦しみである。』 と書いているが、インテリア雑誌「室内」の編集兼発行人であり、「夏彦の写真コラム」の連載も ある。お疲れ様としか云いようがない。 「『笑わぬでもなし』由来」に自分のコラムを『ただ言い方があんまりである。せきこんでいる。 畳みかけている。あらゆる逃げ道をふさごうとしている。一方の逃げ道をあけておかなければ いけないと知りながら、そこへ逃げこもうとすると、それまでふさぐ。ぐうの音も出ないようにした がる。』と書くが、その容赦の無さが魅力でもあると思うのだが。 |
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シリーズ | : | 分春文庫 |
初版発行 | : | 1986年10月10日 〔昭和61年〕 |
紹介版 | : | 1986年10月10日 第1刷 |
発行者 | : | 西永達夫 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-735203-6 |
定価 | : | 360 |
頁 | : | 268 |
印刷 | : | 凸版印刷 |
製本 | : | 加藤製本 |
カバー | : | 早坂 信 |
初出誌 | : | 「諸君!」 単行本 昭和56年6月文藝春秋刊 |
解説 | : | 阿川弘之 |
かいつまんで言う | : |
山本夏彦氏の文春文庫の3冊目。 解説は阿川弘之氏で、阿川氏の愛娘阿川佐和子さんは『「夏彦の写真コラム」傑作選(2)』 の選者であり、山本夏彦氏との対談を文庫本「阿川佐和子のワハハのハ―このひとに会い たい<4>」に収録している。 その「解説」の初めに『河盛好蔵、福田恆存の両氏が山本夏彦さんの愛読者だと知って、 なるほどと思った。私の尺度を以てすれば、このお二人は当代第一流の知性で、しかも文章の はしばしにうるさいこと、横丁の隠居の趣を備えた方々である。』とあるが、もうこれで全てが 尽きている気がする。 山本氏のコラムもそうだが、書き出しが絶妙で、すっきりしている。 |
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シリーズ | : | 中公文庫 |
印刷 | : | 1996年9月3日 |
初版発行 | : | 1996年9月18日 〔平成8年〕 |
紹介版 | : | 1996年9月18日 初版 |
発行者 | : | 嶋中鵬二 |
発行所 | : | 中央公論社 |
ISBN | : | 4-12-202687-3 C1195 |
定価 | : | 700 |
頁 | : | 325 |
印刷 | : | 三晃印刷 |
カバー印刷 | : | 三晃印刷 |
製本 | : | 小泉製本 |
初出 | : | 『恋に似たもの』 一九八六年十月 文春文庫刊 |
解説 | : | 小林信彦 |
かいつまんで言う | : |
中公文庫14冊中の第11冊目。 単行本があり、文春文庫も買う。しかし、中身は同じである。解説は読めますけど。 そこで、中公文庫は買わなかった。ただ本サイトを作るにあたって探したがこの本でさえ見つ からない。なかなか見つからない。 ようやく最後に手に入れたが、十年前の本でさえこれである。やはり本は欲しい時に買って おくものであろう。 読むのはいつでも好いのだから。 |
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