オーイどこ行くの ―夏彦の写真コラム―
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本カバー オーイどこ行くの 著者:山本夏彦 発行所:新潮社 Amazon.co.jp の『オーイどこ行くの―夏彦の写真コラム』を見る
書籍名 オーイどこ行くの ―夏彦の写真コラム―
シリーズ 単行本
著者 山本夏彦
初版発行 平成六年九月十五日 〔1994年〕
紹介版 平成六年九月十五日 初版
発行者 佐藤亮一
発行所 株式会社 新潮社
ISBN 4-10-341307-7  C0095
定価 1,300
256
印刷所 株式会社光邦
製本所 加藤製本株式会社
装幀 安野光雄
初出誌 「週刊新潮」 平成三年十月三十一日号〜平成五年十二月九日号
写真 新潮社 写真部 一部提供品
かいつまんで言う  本カバーが非常に美しい写真コラムシリーズ7冊中の第7冊目。
 味わい深いこのシリーズが終了したことは大変残念でした。
 以降も「夏彦の写真コラム」の単行本は4冊あるが、装幀等体裁がかなり違う。
 また、文庫本も単行本に準じている本はこれで御仕舞。
 山本氏の持論である『孝は自然の情ではない。』はやはり本当であったようで今はもう「孝」と
いう言葉さえ死語になりつつある。
 「7 いかにいますちちはは」に『私たちは親が死んでも泣かなくなった。まして兄弟が死んでも
涙一滴こぼさなくなった。私たちは禽獣に、また鬼に近いものになったから、かえらぬ昔の唱歌を
聞くとふと涙ぐむのである。』と書くが、禽獣か、鬼に近いものが、かえらぬ昔の唱歌を聞いて涙
ぐむ涙に何意味あろうか。かえらぬ昔は涙ぐんでも生憎かえらぬ。
 耐震偽装事件では底なしの無責任体質を曝け出したが、此れで全て出尽くしたと云う保証は
何もない。設計の段階でさえそれなら・・・なんて言い出したら限がないが、平成4年に山本氏は
「22 ゼネコンはやっぱり土建屋」に『ゼネコンはビルを建てても緑を植えない。ビルの回りには
一木一草ない。亭々たる大樹を植えよ、アヴェニューをつくれと何度も私は書いたが誰も耳を
かさない。それでいて近ごろ「緑」がないと大騒ぎである。言いたくない言葉だが、ゼネコンには
思想がない、哲学がない。やっぱり「組」である。』とあり、その前から何度も言っている繰り返し
なのであるが、結局これですか。
 「39 貧乏なくなる」には『天ぷらや鰻は年に一、二度食べるから馳走なのだ。あんなもの毎日
のように食べたらうまくも何ともない。貧乏というものは実は必要なものなのである。上に大金持が
いてまん中に小金持がいて下に貧乏人がいて、橋の下には乞食がいて始めて治まる御代なの
である。』と書く。
 確かにそれで治まる御代であろうが、今の貧乏は実は電気仕掛けの貧乏であり、「52 「何用
あって月世界へ」補遣」の『●明治の昔の貧困と今日のそれは質的に相違したもので、電気
じかけの貧乏こそ真の貧乏だと仔細あって私は信じている。』の通りであるなら、かなり救いの
ない話しである。
 勝ったものだけが、正義でもなかろうに。
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本 Amazon.co.jp の『新潮文庫 オーイどこ行くの―夏彦の写真コラム』を見る
シリーズ 新潮文庫
初版発行 平成十四年七月一日 〔2002年〕
紹介版 平成十四年七月一日 初版
発行者 佐藤隆信
発行所 株式会社 新潮社
ISBN 4-10-135015-9 C0195
定価 590
408
印刷 株式会社光邦
カバー印刷 錦明印刷
製本 株式会社植木製本所
カバー写真 高山浩数
デザイン 新潮社装幀室
初出誌 新潮社より平成六年九月に刊行された『オーイどこ行くの』の全一〇〇 編と
平成八年七月刊行の『その時がきた』前半五〇編を一冊にまとめたも の。
解説 玉村豊男
かいつまんで言う  「夏彦の写真コラム」文庫本5冊の第5冊目。
 つまりこれで御仕舞。残念である。
 本カバーに山本氏のかなり大きな写真が使われている。いい写真である。
 玉村豊男氏が「解説」に『その気合、そのリズム。居合抜きにも似た名人芸を、テンションを
落とすことなく何十年も披露しつづけるエネルギーに満ちた巨大なコラムニストの存在を、こう
して一冊にまとまった文庫であらためて確認した。』とあり大先輩に向かって失礼であるが、
やはり「継続は力也」の言葉を思い出した。
 裏カバーのコピーには『人呼んで「史上最強のコラム」、健在ナリ。』と謳っている。
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本カバー写真には関係各位の著作権保護の為に透かしを入れていますので、御了承及び御注意下さい。
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