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書籍名 | : | 世は〆切 |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 平成八年一月十五日 〔1996年〕 |
紹介版 | : | 平成八年二月一日 第二刷 |
発行者 | : | 堤 堯 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-351120-2 |
定価 | : | 1,500 |
頁 | : | 291 |
本文印刷 | : | 理想社 |
付物印刷 | : | 凸版印刷 |
製本所 | : | 中島製本 |
装幀 | : | 坂田政則 |
カバーイラスト | : | 川田 徹 |
初出 | : | T『諸君!』 ’93年1月号〜’95年12月号 |
U『室内』 かなり変則 ’85年6月〜’91年10月 | ||
U『諸君!』 変則 ’93年6月〜’95年9月 | ||
V『文藝春秋』 ’93年1月〜’93年7月・変則 ’93年10月 〜’95年12月 | ||
V『ノーサイド』 ’94年9月 | ||
かいつまんで言う | : |
『諸君!』『室内』『文藝春秋』『ノーサイド』に連載したものをまとめたものでかなり変則的な 編集である。 文藝春秋の「諸君!」「文藝春秋」「室内」などに連載したものを纏めたシリーズは『装幀:坂田 政則 カバーイラス:川田憲一または川田 徹または川田 進』であり、これはその9冊の第8冊。 山本氏のコラムは中身も当然だが、やはりそのリズムや流れや文体といったものに惹かれる 部分も多く「あとがき」の最後の『冷蔵庫のなかった昔は、魚屋は今朝仕入れた魚を売りつく して、夕方は店のたたきに音たてて水を流して、ごしごし洗って無事一日を終った。魚屋の あるじはあとは枕を高くして寝るばかりである。まことに一日の苦労は一日で足れりである、明日 のことは思いわずらうなとは至言である。』なども、とりたててどうといったところもないようで、心 穏やかとなる旨い纏めである。 また、言葉に対する危機感が強く後に「完本 文語文」という本も出版するのであるが本書 「口語文」にも『私は文語にかえれといっているのではない。そんなこと出来はしない。私たちは 勇んで古典を捨てたのである。別れたのである。ただ世界ひろしといえども誦すべき詩歌を 持たぬ国民があろうかと、私は長大息するのである。』とあり、本当に深い嘆きを嘆いているが、 もう取り返しはつきませんね。大の大人がもう問題外なんですから。 『私の話は深入りすると分らなくなる恐れがあります』と書いている「談話室一万回」は秋山 ちえ子さんの話しをしつつ自分のコラムを語っているが、それがあっちへ跳びこっちへ返り、 対比に否定、反転に肯定と忙しい上に、敵は味方で味方は敵かの有様で『老人のいない家庭 は家庭ではないと、むかし私は何度も書きました。これだけなら分ります。こう言えば老人は 喜ぶ、若い者はイヤな顔をする、けれども今の老人は老人ではない、若者に迎合して口まねを する。こんな年寄りと同棲しても若者は得るところがない、追い出されるのはもっともだ、云々。』と 訳の分らない面白さとなる。 『怪しいことを言う、言いぶんを聞いてやろうと言う人は多くありません。』もあながち謙遜だけ でもない気もする冴えである。その他本タイトルの「世は〆切」をはじめ、じっくりとそしてかなり 愉しめる本である。 |
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シリーズ | : | 文春文庫 |
初版発行 | : | 1999年4月10日 〔平成11年〕 |
紹介版 | : | 2004年4月5日 第3刷 |
発行者 | : | 庄野音比古 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-735212-5 |
定価 | : | 514 |
頁 | : | 314 |
印刷 | : | 凸版印刷 |
製本 | : | 加藤製本 |
カバーイラスト | : | 川田 徹 |
デザイン | : | 坂田政則 |
単行本 | : | 平成8年1月 文藝春秋刊 |
解説 | : | 関川夏央 |
かいつまんで言う | : |
山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、13冊目。 関川夏央氏が「解説―十二歳から老人歴七十余年」に『コラムであれ、長い弔文であれ、読み つつ不安に襲われ棒立ちの気分になる寸言がところどころにさりげなく転がされていることに かわりはない。それはしばしば恐い言葉である。』と書いているが、恐い言葉にこそ世の本当が 隠れているものであろう。 結構沢山ありますよ。 |
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