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書籍名 | : | 百年分を一時間で |
シリーズ | : | 文春新書 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 平成12年10月20日 〔2000年〕 |
紹介版 | : | 平成12年11月5日 第2刷 |
発行者 | : | 東 眞史 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-660128-8 |
定価 | : | 690 |
頁 | : | 235 |
印刷所 | : | 理想社 |
付物印刷 | : | 大日本印刷 |
製本所 | : | 大口製本 |
装幀 | : | 坂田政則 |
カット | : | 浜野孝典 |
初出 | : | 『室内』 |
かいつまんで言う | : |
「室内」連載の半分。「誰か『戦前』を知らないか」に続く問答集。 前作で書ききれなかった「花柳界」、「梨園」、「あの社会主義」などを語る。 文春新書シリーズ3冊の第2冊目。新書なので文庫本はない。 本書を「あとがき」で『今回のタイトルは「この百年を一時間で」というほどの意味です。』と紹介 している。そしてどこまで狙っているのかがよく分らないのだが、内容は地味であるにも関らず 面白く、笑いがあり、尚且つ物事を知る快感が味わえるのである。 本書「就職難求人難」では『―山本さんは就職試験に失敗したことはなかったんでしたね。』と 問われると『全部受かりました。受かる試験しか受けなかったからです。受からない試験を受ける のは馬鹿です。それだけのことです。』と明快である。 続いて「就職難求人難」のべつのところでは『電話帳の目次をみんな破いて夜ごと日ごとため つすがめつして、人間の職業はこれに尽きているなんていうのは一大発見ですよ。それより自分 にできる職業が一つもないっていうのは、さらに一大発見ですよ。』と自分を語りながら不思議な 笑いを誘う。 問答形式であり、問う人は多くは喋らないのだが「株式会社」の『―父から初任給で自分の会社 の株を買えと、しつこく言われていたんです。で、山本さんに工作社の株はどこで売っているか 聞いたら、「カブ(蕪)なら八百屋で売ってるよ」と笑われました。』とか『―学生時代駅前の文房具 屋でアルバイトした時、おばあさんを社長、息子を専務と呼んでいて気味が悪かった覚えがあり ます。』など、さりげなく面白いことを言う。 「タイトル」には『「おーいどこ行くの」ってのもいいだろう。橋の下の乞食にオーイと問われても どこに行くのか自分でも分らないんだから返事ができない。』とあり、やはり自分でもお気に入り であった様子である。 |
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