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書籍名 | : | 最後の波の音 |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 平成十五年三月十五日 〔2003年〕 |
紹介版 | : | 平成十五年四月二十日 第三刷 |
発行者 | : | 平尾隆弘 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-359510-4 |
定価 | : | 1,600 |
頁 | : | 412 |
本文印刷 | : | 理想社 |
付物印刷 | : | 大日本印刷 |
製本所 | : | 中島製本 |
装幀 | : | 多田 進 |
装画 | : | 田中一村『足摺狂濤』(昭和30年) |
『田中一村作品集<新版>』(NHK出版刊)より | ||
初出 | : | 「文藝春秋」連載『愚図の大いそがし』平成十年九月号〜平成十四年一 月号 |
「諸君!」連載『笑わぬでもなし』平成十年九月号〜平成十四年十一月 号の | ||
中から抜粋編集したもの。 | ||
かいつまんで言う | : |
文藝春秋社の2大連載から抜粋編集したものだが、活字が大きく行間も広く文藝春秋社 分の愛蔵書にふさわしい出来となっている。 本書のタイトルが「最後の波の音」で、新潮社の「夏彦の写真コラム」の本のタイトルにも 「寄せては返す波の音」があり、その本「寄せては返す波の音」には、「寄せては返す波の音」と いうコラムはない。しかし、本書「最後の波の音」と新潮社の「一寸先はヤミがいい」には「寄せて は返す波の音」というコラムがあり、よくわからない。 次の話しも寄せては返す波と同じ繰り返しであるが、「出社したら潰れていた」に会社が潰れる 時は『かりにも従業員千人二千人いる組織である。社内に不穏な空気がただよっていたはず なのに気がつかないのは不思議なようだが、そうではない。沈む船から鼠は逃げだすというが、 人は鼠ほどの予感もないのかというと、ないのである。』と我々は蚤であり、イナゴであり、鼠以下 か。だがそうでもあろう。 山本氏は雑誌出版社を主宰していたこともあり、本に関しての話しも沢山あるが本書「本が 出すぎる」でも『人間の知恵は諸子百家に、ギリシャローマに尽きている。けれども同じことでも 同時代人が同時代を例にとって書いたのを読むのはまた格別である。だから本は出てもいい。 読みたければ読むがいいが、この現状は狂気である。足の踏み場もない。』とあり、本当に少し 大きな書店ではもう自分で本を探し出せないような状況は却って不便ともいえるのかもしれない。 「諸君!」平成十三年十月号の「私はタイトル(だけ)作家」には『私は稀有の愚図である。この 世に望みを断った私に、そもそも用なんかありはしないが、それでも用に似たものはある。忘れる といけないから手帳につけておく。つけておいたことを忘れて、同じ日の同じ時刻に別人と約束 する。虫のしらせで気がついて詫びて一人を断っても、立腹されたことはない。どうせ「ダメの人」 に会いにくるのである。用件なんかあるはずがない。』と達観したものの潔さが漂う。 |
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シリーズ | : | 文春文庫 |
初版発行 | : | 2006年3月10日 〔平成18年〕 |
紹介版 | : | 2006年3月10日 第1刷 |
発行者 | : | 庄野音比古 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-735218-4 |
定価 | : | 686 |
頁 | : | 414 |
印刷 | : | 凸版印刷 |
製本 | : | 加藤製本 |
装画 | : | 田中一村 『足摺狂濤』(昭和三十年) |
『田中一村作品集<新版>』(NHK出版刊) | ||
カバーデザイン | : | 多田 進 |
初出誌 | : | 二00三年三月 文藝春秋刊 |
解説 | : | なし |
かいつまんで言う | : |
山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、18冊目。 山本氏の久しぶりの本であるが、株式会社文藝春秋からの最後となると思われる文庫本で ある。後は文春新書の3冊があるが、新書が文庫本になるとは思えないので、残念ながら 最後であろう。本当の意味で『最後の波の音』である。 ただ、文藝春秋には山本夏彦氏の選書のような企画を望みたいものである。 本書には解説もなく、実に素っ気無い。カバーデザインも単行本と同じであるので単行本を 持っている人は必要としないだろうが、単行本を買いそびれた人には大切な本となりうるだろ う。文庫本は、本当に買える時に買っておかないとすぐに買えなくなってしまいます。少し 大きな本屋でも山本夏彦氏の文庫本を10冊取り揃えている店は意外とない。本出すぎで あろう。今さえ良ければいいのかね。 |
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