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書籍名 | : | 笑わぬでもなし | |
シリーズ | : | 中公文庫 | |
著者 | : | 山本夏彦 | |
紹介版 | : | 1993年 1月10日 | |
発行所 | : | 中央公論社 | |
定価 | : | 560 | |
ひとことで言う | : | 一コラム厳選名言紹介 | |
10 | 2006/ 9/ 4 | : | 「二葉亭四迷の思い出」より |
本を読むことは死んだ人と話をすることで、私は本によって大ぜいではないが、何人かの 故人を知った。 |
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9 | 2006/ 9/ 3 | : | 「言葉のとりっこ」より |
だから、彼の好きな言葉は、我の嫌いな言葉であり、我の嫌いな言葉は、彼の好きな言葉 なのである。 |
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8 | 2006/ 9/ 2 | : | 「犬と私と」より |
俗に猫に小判というが、三歳の童子は猫に似て、小判をありがたく思わない。小判より声を かけてくれる人、かまってくれる人のほうを喜ぶ。そして人の知能は多く三歳を越えないと、 知能を調べる学者は言っている。 |
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7 | 2006/ 9/ 1 | : | 「「よろしく」考」より |
誤解を恐れないでいえば、犬と子供と女はよく似た存在である。それならどうして男も似た 存在でないことがあろう。 |
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6 | 2006/ 8/31 | : | 「パーティ」より |
こげ臭い菓子をつくる家の菓子は、いつもこげ臭い。 | |||
5 | 2006/ 8/30 | : | 「何よりも流行を愛す」より |
我々は大ぜいが言うことを、共に言う存在である。この世の中は、自分で考える力のある ひと握りの人と、自分では考える力がなくて、すべて他人に考えてもらう大ぜいの人から 成っている。 |
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4 | 2006/ 8/29 | : | 「私の河原乞食論」より |
人気さえあれば天から降ってくる芸人の十万円と、堅気の月給十万円は、同じ十万円では あっても、全く別ものである。 |
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3 | 2006/ 8/28 | : | 「有名というもの」より 3 |
所詮この世は生きている人の世の中である。 | |||
2 | 2006/ 8/27 | : | 「有名というもの」より 2 |
有名な作家の、有名な作品を読むのも似たようなものだ。そんなに面白い作品なら、 作者が生きていようといまいと関係なく面白いはずである。作品は作者から独立すると、 作者は思いたいから思う。作品は不朽で、死後も遺ると思いたいから思う。ごく稀に死んで からも売れる作品があるからそう思うのは無理もないが、作者は死ぬと同時に読者を失う。 |
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1 | 2006/ 8/26 | : | 「有名というもの」より 1 |
読者も共に老いただろう。六十七十を越え、亡くなった人もあるだろう。健康でも、もう本は 買わないだろう。読まないだろう。作者は長生きすると、読者がこの世からいなくなるのを 見ることがある。 |
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